国宝 向上寺 三重ノ塔


瀬戸田水道を見下ろす潮音山に建つ、 和様を基調とし唐様を取り入れた朱塗りのみごとな三間三重塔婆です。
1432年(永亨4年)に建てられ、 国宝の三重塔の中では最も新しいものです。 この塔の特徴は組物に入れられた 装飾彫刻です。
尾垂木下の二手先目の肘木先端に 見事な彫刻が施され、その彫刻は、 植物の葉を抽象化した若葉という 図案になっています。色彩と、力強い刻線が あいまって強烈な印象を与えています。
また、各重に花頭窓を配し、四隅の親柱の 飾付けには珍しい逆蓮華(蓮の花を逆に かぶせた形)が見られます。
建立年が明らかで、唐様の手法が極めて濃厚で 、細部にも特色ある手法が多い点から、禅宗寺院の 塔婆として建築史上貴重なものです。



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